通信障害に備える！最新バックアッププランと対策方法！

2025年3月25日 2025年3月25日

山下哲央

大規模な通信障害が発生した際、ビジネスの継続性を確保するための備えは十分でしょうか。　近年の通信インフラへの依存度増加に伴い、障害発生時のリスクはますます高まっています。　本記事では、具体的なバックアッププランと最新の対策方法を解説します。

増加する通信障害リスクとその影響

通信障害は予告なく発生します。　近年の事例を見ると、大手通信キャリアの大規模障害により、決済システムの停止、顧客対応の遅延、業務システムへのアクセス不能など、ビジネスに深刻な影響を与えています。

例えば、クラウドサービスに依存する企業では、通信障害によって業務が完全に停止するケースが報告されています。　それによって、顧客データにアクセスできない、オンライン予約システムが機能しない、遠隔地の従業員との連絡が途絶えるなど、その影響は多岐にわたります。

基本的なバックアッププラン

1. マルチキャリア戦略

まず、一つの通信事業者に依存することは避け、複数のキャリアと契約をすること。　これは、主回線、バックアップ、異なるインフラを持つ事業者を選択することで、単一障害点を排除できます。

2. 物理的バックアップの確保

あと、クラウド上のデータだけでなく、定期的にオフラインバックアップを取得することが重要です。　例えば、外付けハードドライブやNASなどを活用し、重要なビジネスデータを物理的に保管しましょう。

3. 緊急連絡網の整備

さらに、通信障害時の連絡手段として、異なる通信経路を使用した緊急連絡網を整備します。　メール、電話、チャットツールなど、複数の連絡手段を用意し、さらに、定期的な訓練を行うことが効果的です。

業種別バックアップ戦略

小売・EC業界

オンライン決済に依存する小売・EC業界では、オフライン決済手段の確保が不可欠です。　モバイル決済端末をバックアップとして準備し、オフラインモードでの運用訓練を定期的に実施しましょう。
また、在庫管理システムのローカルバックアップを取得し、通信障害時でも基本的な販売業務を継続できる体制を整えることが重要です。

医療・ヘルスケア業界

患者データへのアクセスが継続的に必要な医療機関では、電子カルテシステムの冗長化が必須です。　主要医療情報システムは、オフラインモードでの運用が出来るものを選ぶ。
また、重要な医療機器のための独立した通信回線を確保し、主要なインターネット回線とは分離することも検討すべきです。

金融業界

金融機関では、取引データの整合性確保が最重要課題です。　主要なデータセンターと地理的に離れた場所にディザスタリカバリサイトを設置し、リアルタイムでのデータ同期を行うことが標準となっています。
また、高可用性データベースシステムを採用し、システム障害時の影響を最小限に抑える設計が求められます。

BCP（事業継続計画）への組み込み

通信障害対策は、単独の技術対策ではなく、包括的なBCPの一部として位置づけることが重要です。

1. リスクアセスメント：通信障害がビジネスに与える潜在的影響を評価
2. 重要業務の特定：障害時も継続すべき核心業務を明確化
3. 復旧時間目標（RTO）と復旧ポイント目標（RPO）の設定
4. 対策の実装：技術的・組織的対策の導入
5. 訓練と検証：定期的な障害シミュレーションによる計画の検証
6. 継続的改善：新たな脅威や技術に合わせた計画の更新